≪前の話 次の話≫
はじめから読む≫
父に会いたくてたまらない。
そこへ、半分だけ血のつながった、父に似た人が現れた。
祖父の家で何回か見かけたことがあるだけの、話したこともなかった男の子。(90話≫、95話≫)
でも血というのは不思議なもので、間違いなく自分の兄であるという確信がある。ひとりっ子として育ったのに。変な感覚でした。
兄と慕いたい、そう思うのと同時に、父に会いに来なかったこの人を憎いとも思う。骨までしゃぶり取られて死んだ父のことを思うと、兄と姉たちが憎い。
離婚しないままこの人たちと人生をともにしていたら、父の一生はどうなったのか。
天理教とは無関係に生きたら、幸せだったのではないか─
考えても仕方ない「もし」を考えました。
「いんねん」については6話≫、7話≫参照。
兄妹なのに、私たちはもう二度と会うことはありません。実際、このときから20年以上たちますが、一度も会っていません。
養育費を要求する電話をかけてきた前妻の話は、発達障害の子と生きる(中学生編65)≫
一度だけ兄がかけてきたらしいです。私の母から聞いた話です。